譜代藩城下町 姫路の研究
三浦俊明著


本書の研究対象は播州姫路藩の城下町と商人である。主に那波屋と奈良屋の商業内容の分析を行ない、京都・大坂・近江商人をはじめ山形商人との取引内容を究明する。これら姫路町商人の活動内容を具体的に考察することにより、彼らの活動が地域社会の振興にいかなる影響をあたえたか、すなわち都市商人資本が地域に果たした役割を見直すことをテ−マとしている。本書は、今後の地方諸都市個別研究にも大きな指針となり、近世都市研究躍進のさきがけとなる業績である。


■本書の構成

序章 近世都市史研究の現状と課題

第1編 城下町姫路と姫路藩

第1章 城下町姫路の形成
第2章 姫路町の地子銀
第3章 姫路藩酒井家家法集の整備 ―酒井家の領国再編策の一環として―
第4章 姫路藩・林田藩の生類憐み政策

第2編 城下町姫路の振興と那波屋

第5章 那波一族と姫路町の町衆
第6章 那波屋の金融活動と城下町振興
第7章 那波屋の材木業と酒造業

第3編 木綿問屋奈良屋と古手類販売

第8章 奈良屋権兵衛と出羽国酒田の本間家
第9章 奈良屋権兵衛と古手類の流通形態
第10章 姫路町の古手商表屋庄左衛門と近江商人
第11章 木綿・古手類の集荷組織と販売状況
補論  幕末期における姫路町仕入紺屋仲間の動向

結びにかえて




三浦俊明(みうら としあき)……1935年神奈川県茅ケ崎市生まれ 東京都立大学大学院修士課程修了 関西学院大学文学部教授(書籍刊行時に掲載のものです)



ISBN4-7924-0433-9 (1997.9) A5 判 上製本 330頁 本体7200円
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。