近代和歌山の歴史的研究
−中央集権下の地域と人間−
小田康徳著


本書は地域だけにとどまらず、日本近代の総体を和歌山という地域と民衆から問うことを課題にしている。維新期に焦点を絞った第1部では陸奥宗光らが企てた交代兵制度や天誅組などにふれ維新期の変革が人々の思惑をこえて進展する状況を描く。また「中央と地方の矛盾の中で」と題された第2部では、キリスト教の受容、地方新聞の誕生とその展開、日露戦争と町村行政、戦時下重工業工場誘致と地元の対応など中央からの強制や挑発に地域がどのように対応したかを描く。


■本書の構成

第1部 維新期の諸問題

1紀州家奥右筆田中善蔵暗殺事件の再検討 ―「諸県口書」の紹介をかねて―
2和歌山藩交代兵制度の成立とその終焉
3和歌山藩藩政改革と捕亡手制度
4藩政期および明治初年の禰宜鉱山 ―鉱山の開掘と農民の抵抗について―
5維新期高野山領の諸問題 ―〈史料1〉喜多淳介天誅組出動日記・〈史料2〉大阪府史 旧堺県史―

第2部 中央と地方の矛盾の中で

1和歌山市地域における新聞事業の成立と展開
2全国紙形成下の地方新聞 ―和歌山市地域を中心に―
3地方宗教人児玉充次郎の精神的軌跡について ―書簡と論文の紹介―
4日露戦後海草郡にける地方行政の展開
5住友金属工業の誘致と大和歌山構想
6消え去りつつある共同体の記憶について ―旧鞆淵村久保地区の史料調査から―




小田康徳(おだ やすのり)……1946年香川県生まれ 大阪大学文学部卒業 大阪電気通信大学教授・文学博士(書籍刊行時に掲載のものです)




著者の関連書籍
小田康徳著・維新開化と都市大阪



ISBN4-7924-0450-9 (1999.9) A5 判 上製本 390頁 本体7800円
※上記のデータはいずれも本書刊行時のものです。