北方史と近世社会
浅倉有子著


著者の問題関心は、地域を基盤とした歴史像の構築にあり、具体的には幕藩体制と北方地域との接点=周縁に位置する弘前藩をフィールドとして、北方地域と近世社会とに関わる問題を複眼的な視点によって捉えることにある。また「情報」という分析視点によって、近世社会の情報の問題にも関心を広げ、身分間の循環構造を実証的に分析することを目指しており、従来、欠落していた視点から今後の研究に新たな地平を切り開く北方社会史論である。


■本書の構成

序章―本書の視覚と北方史研究

1部 北方情報と国制

第1章 蝦夷認識の形成 ―とくに契機としての情報をめぐって―
第2章 寛政改革期における北方情報と政策決定
第3章 天保期における東蝦夷地上知構想
第4章 近世における北方情報と情報秩序

2部 蝦夷地警衛と幕藩権力

第5章 弘前藩の蝦夷地警衛 ―賦課方式と軍団編成に注目して―
第6章 家中軍役規定の改変と蝦夷地警衛
第7章 蝦夷地警衛と藩財政

3部 弘前藩における在村給人と藩政の展開

第8章 手作給人の存在形態
第9章 藩士「在宅」政策の展開

4部 補論

補論1 「国風」の美
補論2 函館開港後における青森港と蝦夷地・北海道

結語



浅倉有子(あさくら ゆうこ)……1956年青森県に生まれる お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科単位取得退学 現在、上越教育大学学校教育学部助教授(書籍刊行時に掲載のものです)





著者の関連書籍
浅倉有子・上越教育大学東アジア研究会編・歴史表象としての東アジア



ISBN4-7924-0480-0 (1999.2) A5 判 上製本 330頁 本体7500円
※上記のデータはいずれも本書刊行時のものです。