近江商人の経営史
上村雅洋著


近江商人は日本経済史の研究史上では古典的な研究対象であるが、複数の商家の近世史料を綿密に分析して近江商人の総合的な研究を目指したものとしては本書をもって嚆矢となす。近江商人の経営がもつ近世的合理性を史料に基づいて追究し近代にどのような適応を見せたかを明らかにするとともに、在地性をとりあげその在り方を近江商人の定義に組み込んでいる。そのほか共同企業の在り方や雇用形態について実証を踏まえて位置づけている。



■本書の構成

序論
近江商人の研究史/近江商人研究の意義/本書の特色と構成

第一章 西川伝右衛門家の経営
第二章 岡田弥三右衛門家の経営
第三章 近江商人の在村形態
第四章 市田清兵衛家の経営
第五章 谷口兵左衛門家の経営
第六章 外村与左衛門家と家業
第七章 近世における外村宇兵衛家の経営
第八章 明治期における外村宇兵衛家の経営
第九章 外村宇兵衛家の雇用形態
第一〇章 外村宗兵衛家と家訓
第一一章 外村市郎兵衛家の経営
第一二章 塚本定右衛門家の支店経営
第一三章 近江商人の雇用形態
第一四章 近江商人の経営システム

結論
近江商人の定義/近江商人の特性/近江商人の成立条件/近江商人の類型

あとがき
索引




  ◎上村雅洋(うえむら まさひろ)……1951年大阪市生まれ 大阪大学大学院経済学研究科博士課程単位修得 現在、和歌山大学経済学部教授  博士(経済学)



 著者の関連書籍
 上村雅洋著 近江日野商人の経営史

 和歌山大学 紀州経済史文化史研究所編 和歌の浦〈その原像を求めて〉



ISBN4-7924-0485-1 (2000.1) A5 判 上製本 670頁 本体16,000円
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。