大内氏の研究
松岡久人著/岸田裕之編



■本書の構成

第一章 大 内 氏
第二章 大内氏の発展とその領国支配
第三章 鎌倉末期周防国衙領支配の動向と大内氏
第四章 室町戦国期の周防国衙領と大内氏
第五章 大内氏の豊前国支配
第六章 大内氏の安芸国支配
第七章 南北朝室町期石見国と大内氏
第八章 戦国期を中心とする厳島社の社領支配機構
第九章 中世末広島湾頭をめぐる大名の抗争と海上権
第一〇章 戦国期大内・毛利両氏の知行制の進展
第一一章 西国の戦国大名 ―大内氏を中心として―


■著者略歴
1918年(大正7年)8月5日、大分県下毛郡生まれ。
1942年(昭和17年)広島文理科大学卒業。
1958年(昭和33年)広島大学文学部助教授。
1972年(昭和47年)広島大学文学部教授、文学博士。
1978年(昭和53年)〜1982年(昭和57年)広島大学文学部長併任。
1981年(昭和56年)中国文化賞受賞。
1982年(昭和57年)広島大学を退官、広島大学名誉教授。
2009年(平成21年)2月12日死去。90歳。

主要著書に『大内義弘』『安芸厳島社』『南北朝遺文 中国四国編』など。




ISBN978-4-7924-0952-4 C3021 (2011.11) A5判 上製本 398頁 本体9,500円

   刊行にあたって

 本書は、広島大学名誉教授故松岡久人先生の研究成果のうち、編集者の判断で大内氏関係の主だった論文一一編を選んで構成し、刊行するものである。

 松岡久人先生は、一九八二年三月に広島大学を退官されている。私は、その頃から数度にわたって御著書の刊行をおすすめしたことがある。既に三〇年も前のことであるが、そのことは結果として叶わないまま、先生は二〇〇九年に満九〇歳で他界された。

 私としては、個人的なことではあるがこうしたいきさつを踏まえ、また学界の現状を考慮し、本書のような刊行はなお学界に寄与するところが少なくないと判断し、その方法について検討した。

 同年の暮も押し詰まった頃のことであるが、和田秀作氏に事情を話し、収載予定論文の全面的な点検をお願いしたところ、それにご協力いただくことについて快諾をえた。和田氏は大内氏に精通する研究者であるが、その丹念な作業の結果として多くの的確な指摘を与えられた。心から感謝申し上げたい。

 編集にあたっては、各原論文を尊重することとした。ただ、点検が進むなかで判断を迫られた重要なことは、問題箇所への対応についてであった。その方法として、そこには〔編集者註〕をもうけ、各章末において簡単な指摘を行なうこととした。大内氏研究の最大の課題は、支配機構の中枢部ならびに本国である周防・長門両国の支配の実態がいまだ十分には解明されていないことである。そうしたことも合せて考えながら、これらについては今後の研究の手懸りとして活用し、解明されていくことを期待したい。

 この校正については、和田秀作氏、ならびに秋山伸隆・河村昭一・松井輝昭各氏と私が分担してあたった。ともに深く謝意を表したい。

 各論文ともそれぞれ発表以来長い年数を経ている。当時未刊であった文書もその後多くのものが刊行された。編集するにあたって目配りには心がけたが、問題箇所をなお見落としているのではないかとおそれる。多くの方々に活用され、大内氏研究がさらに前進し、大名領国研究がより豊かなものになっていくならば、私どもとしては望外の喜びである。
            (岸田裕之) 
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。