古代語形容詞の研究
蜂矢真郷著




■本書の構成

総論篇

第一章 形容詞の活用等と語構成
      形容詞の活用表/形容詞語幹の用法/ク活用形容詞とシク活用形容詞との意味的差違/語構成から見た上代の形容詞

第二章 特徴のある形容詞群
      両活用形容詞/重複形容詞・並列形容詞/ナシ型形容詞/タシ型形容詞/ケシ型形容詞/ジ型形容詞/名詞(・数詞)・動詞連用形・副詞(・感動詞)+シの派生形容詞/動詞被覆形+シの派生形容詞


各論篇

第一章 形容詞の対義語
      多少と大小/ヒロシ[広]とサシ[狭]・セバシ[狭]/一音節被覆形―露出形のアクセント

第二章 両活用形容詞の周辺
      フトシ〔シク活用〕の成立/ウマシクニとウマシキクニ/セバシ〔シク活用〕の有無

第三章 重複形容詞の周辺
      重複形容詞と単独の形容詞/形容詞スガシ[清]の成立/ク活用形容詞語幹の重複・並列から

第四章 形態上の特徴を持つ形容詞
      語幹末がイ列のク活用形容詞/一音節語幹の形容詞

      語句索引・事項索引





  ◎蜂矢真郷(はちや まさと)……1946年岐阜県生まれ 京都大学文学部卒業・同志社大学大学院文学研究科修士課程修了 現在、中部大学教授(人文学部)・大阪大学名誉教授



 
◎おしらせ◎
 『日本語の研究』第11巻4号(2015年10月号)に書評が掲載されました。 評者 漆谷広樹氏

 『アリーナ』18号(中部大学・風媒社)に「自著を語る」が掲載されています。




  著者の関連書籍
  蜂矢真郷編 論集 古代語の研究




ISBN978-4-7924-1005-6 C3081 (2014.5) A5判 上製本 398頁 本体11,000円
刊行に当たって
 古代語の形容詞について、語構成論的な研究を中心にしつつ、それに限らず、これまで考えてきたことを、まとめて述べることにする。
 これまでに形容詞に関する論文をいくらか書いてきた。本書各論篇にとり挙げたものの他に、語構成の問題として、形容詞語幹の用法を中心に述べたことや、形容詞と形容動詞との関係について述べたこともあり、近代の文語の問題として形容詞をとり挙げてきたこともある。そんなことからか、前書をまとめようとしている時に、何人かの人に、形容詞についての著書をまとめようとしているかのように受け取られたこともあったけれども、それは必ずしもその時に意図するところではなかった。
 いや、いずれ形容詞についても何らかの形でまとめようということは考えていた。ただ、それをどのような形で述べるかについては、実際のところ些か思いあぐねることもあったが、少し後に、総論篇と各論篇とに分けることを考えついたので、それに沿って進めることにした。
 総論篇は、当然のことながら古代語の形容詞についての総論であるべきところであって、ある程度ながらもその全体を覆うことを意図し、また、ある程度概説的な性格を持つものである。そして、その中で、第一章「形容詞の活用等と語構成」は、用法や意味について、また、語構成から見た分類など、どちらかと言えば理論的なことについて述べるものであり、第二章「特徴のある形容詞群」は、主に語構成の面から見た、どちらかと言えばやや個別的なことについて述べるものである。
 それに対して、各論篇は、正に各論であって、「節」としたそれぞれが一つの論からなるものである。それらを、第一章「形容詞の対義語」、第二章「両活用形容詞の周辺」、第三章「重複形容詞の周辺」、第四章「形態上の特徴を持つ形容詞」とに分けた。
 つまり、本書は、ある程度概説的な総論篇と、それぞれの論からなる各論篇との組合せによって成り立っている。恐らく、その一方だけでは一冊の形をとり得なかったのではないかとも思われる。
 本書は、結果として、参考にしたものがいろいろあるにせよ基本的には書き下ろしである点で論文集ではないと言える総論篇と、既発表論文を基にした点で論文集的な面の大きい各論篇とがあることによって、著書とも論文集とも言えない性格のものになったと言える。どちらかと言えば著書にいくらか近いかとも思っているが、量としては各論篇の方が大きいので論文集に近いと見ることもできよう。こんなまとめ方もある、というのが今の実感である。
 御一読、御高評賜れば幸いである。
蜂矢真郷


※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。