摂関家領土佐国幡多荘再考
佛教大学研究叢書35
大利恵子著


広大と思われていた幡多荘。しかし、一条家と現地の論理は異なり、一条兼良・教房父子を当惑させる。さりとて、下向した教房も全く忌避されていたわけではなく、興福寺における出家が決まっていた教房の子・房家を擁立し、三国司家の一つとしての土佐一条家が確立する。



■本書の構成


  序章 研究史の整理と課題

第一章 九条家領土佐国「幡多郡」の伝領とその特質

第二章 所謂「金剛福寺文書」に見る「先例」とその効用 
―正嘉元年一一月付前摂政家政所下文写の検討を中心に―

第三章 中世幡多地域における金剛福寺の存在形態と地域社会

 補論 所謂「金剛福寺文書」について

第四章 長宗我部検地帳に見る戦国期の幡多荘 
―「郡」と「庄」の表示からの検討―

第五章 室町末期幡多荘の実態と特質の検討 
―『桃華蘂葉』『大乗院寺社雑事記』を主な材料として―

終章 幡多荘とは何か



  ◎大利恵子
(おおり けいこ)…………1955年福岡県生まれ 佛教大学大学院博士後期課程修了 現在、佛教大学研究員




ISBN978-4-7924-1099-5 C3021 (2019.3) A5判 上製本 228頁 本体5,800円
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。