西区史 全3巻
大阪西区史刊行委員会編
西区の地域は、近世・近代を通じて大阪の発展に大きな歴史的役割を果たしてきた。近世には「出船千艘、入船千艘」といわれ、諸国の物資集散地として天下の台所大阪の経済的基盤を支え、近代には外国人居留地を通じて新文明流入の門戸となり、府庁や市役所も置かれて行政上の中枢でもあった。
こうした西区の多彩な歴史を知るための『西区史』全3巻の原稿は、既に昭和10年代後半には完成していた。しかし太平洋戦争で資材不足のため第一巻が刊行されただけで、第二・三巻は遂に世に出ることなく、稿本はそのまま西区役所に秘蔵されたままであった。西区の区制百周年にあたり、未刊の第二巻、第三巻を刊行し、既刊の第一巻を復刻したものが本書である。
〈第一巻〉緒論/近世期の大阪/維新前後の大阪/行政自治の沿革/町会/区会/現在の西区/施設公共団体/災異
〈第二巻〉土地開発と人口の推移/交通の発展/蔵屋敷と諸国荷受問屋/市場
〈第三巻〉教育/社寺と教会/西区風土記/浪華人物誌
ISBN4-7924-0134-8 A5判 上製本 総2240頁 揃本体24,000円