大坂町奉行と刑罰
藤井嘉雄著
幕府の膝元である江戸と違い、大坂では幕末の混乱の中で大坂城や町奉行所の文書類は散逸してしまった。江戸と大坂では法の運用に差異があったことは知られているが、大坂町奉行所における刑事制度の運用について体系的に述べた研究はこれまで無かった。本書は僅かに残された大坂町奉行所の記録類はもちろん、その欠を補うため『徳川禁令考』『御仕置例類集』『記事条例』等の法書を始め、諸書を渉猟して、大坂における刑事裁判制度の実態を明らかにすることに努めた。
ISBN4-7924-0292-1 (1990.10) A5 判 上製本 454頁 本体11,650円