幕末維新期における宗教と地域社会
田中秀和著
本書はまず北奥の弘前・秋田・盛岡3藩を対象に、藩の宗教政策と地域民衆の動向や在村小社の在り方を探り神仏分離に至る宗教と藩権力、民衆に息づく地域伝承の問題を解明する。つぎに弘前藩領での神仏分離を寺社領の変遷から廃仏毀釈との関わりを解明し、米沢・秋田各藩領での神仏分離の実態を霞を素材に検討、蝦夷・北海道へも視野を広げ、維新期の国民教化策を究明する。明治維新以後、政府がどのように宗教の単一化や文化の単一化をはかろうとしたのかを丹念に明らかにした。
ISBN4-7924-0432-0 (1997.9) A5 判 上製本 440頁 本体9800円