近世日本の交通と地域経済
平川 新著


本書は三部からなる。第1部交通と制度=助郷制度の成立とその確立過程を詳述する。第2部商品流通と運輸機関=松本と糸魚川を結ぶ千国街道に焦点をあて、その多様な交通運輸機関の特色を検出し、商品流通をめぐる複合的秩序や問屋の性格を明確にする。第3部地域産業と権力=金沢の箔職人、盛岡の鉄生産を素材に、幕・藩権力の関与が地域経済のあり様をいかに規定したかを明解に論述する。交通史の領域にたち、従来の制度史的研究の枠を打破した、斬新な著作である。


■本書の構成

序説
交通と制度/商品流通と運輸機関/地域産業と権力

第1部 交通と制度

第1章 助郷制度の成立と展開
第2章 助郷制度の確立過程

第2部 商品流通と運輸機関

第3章 松本藩の交通制度と運輸機関
第4章 信越間の商品流通と運輸機構
第5章 信越間の商品流通と信州問屋

第3部 地域産業と権力

第6章 加賀金沢の箔産業
補論  仙台藩の箔職人
第7章 南部鉄の流通構造




平川 新(ひらかわ あらた)……1950年福岡県に生まれる 東北大学大学院修士課程修了 東北大学東北アジア研究センター教授 博士(文学)(書籍刊行時に掲載のものです)





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ISBN4-7924-0435-5 (1997.11) A5 判 上製本 350頁 本体7700円
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。