■祖先祭祀の展開 | |||||
−日本民俗学の課題− | |||||
田中久夫著 | |||||
本書は、著者のライフワークである、祖先祭祀に関する最新研究を集めた。まず、「二章一節 祖先崇拝」でその成立過程の全般的な概観を試み、さらに墳墓祭祀風習の成立次第を論じる。さらにこれらの理解を深めるために、年中行事や花・食べ物などの神々に供える供物を通して、祖先祭祀の風習が外来の文化であると結論づけ、日本文化をどのように理解しそこに貫かれているのは何かという日本民俗学のもつ課題に対する著者の回答が示されている。 ■本書の構成 第1章 日本民俗学 第1節 歴史学としての民俗学 第2節 日本民俗学 第2章 祖先崇拝 第1節 日本人の祖霊観・霊魂観について(祖先祭祀と神社) 第2節 祖先崇拝 第3節 平安前期の荷前使の持つ意味 第4節 浄土宗と迎え講 第3章 生と死の間の俗信 第1節 死者と着物 第2節 死の穢れとその問題 第3節 人形とその俗信 ―送終の礼を中心として― 第4節 箒とその俗信覚書 ―出産儀礼の中から― 第4章 花と年中行事 第1節 年中行事 第2節 花と民俗 第3節 正月行事と信仰 第4節 正月行事聞覚 ―三重県一志郡美杉村上多気字立川― 第5章 ハレの日の食物 第1節 大正月の祝い膳 ―雑煮をめぐって― 第2節 六月朔日考 ―『菅江真澄遊覧記』・『諸国風俗問状答』を中心として― 第3節 粉食というもの 第4節 なれずし 第6章 道と民俗 第1節 西国巡礼の民俗 第2節 漁業とその他の民俗 ―加古川・円山川― 第3節 淡路島の民俗 ―道と清水と伝説と― 附 節 明石の民俗 ―牛頭天王と法師陰陽師― 第4節 八百比丘尼のこと 田中久夫(たなか ひさお)……1934年神戸市生まれ 関西大学大学院修士課程修了 現在、神戸女子大学大学院博士後期課程教授 文学博士(書籍刊行時に掲載のものです) |
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ISBN4-7924-0444-4 (1999.2) A5 判 上製本 482頁 本体12,000円 | |||||
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。 |