近世海運の経営と歴史
柚木 學著


本書は近世海運史の今日の研究水準を示す6章からなる。まず上方と江戸間海運に果たした菱垣廻船と樽廻船の運賃積仕法の確立をとりあげ、新綿番船と新酒番船の起源の通説を正す。ついで北前船を中心とする日本海海運の発展と越後廻船の実態を論じ、入船帳と客船帳により商品流通や廻船の航跡をたどり、近世海運業の廻船経営の特質を述べる。それぞれ扱う史料の数字的根拠を積極的に明示し、きわめて説得力のある論考で占められている。


■本書の構成

第1章 近世上方・江戸間海運の展開と運賃積輸送の確立
第2章 新綿番船と新酒番船の起源について
第3章 近世日本海海運の発展と北前船
第4章 近世海運の展開と越後廻船 ―入津記録を中心に―
第5章 海運史料としての入船帳と客船帳 ―廻船の動向と商品流通―
第6章 近世海運業における廻船経営の特質

故柚木學先生の遺稿集刊行にあたって……寺本益英

柚木學博士 年譜・著作目録




  著者の関連書籍
  柚木 學編 近代海運史料



ISBN4-7924-0505-X (2001.4) A5 判 上製本 280頁 本体8000円
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。