伏見宮貞成の文学(ふしみのみやさだふさのぶんがく)
位藤邦生著
応永永享期の代表的な文学者である伏見宮貞成の文業を総合的に考察した初めての研究書。貞成の人生の軌跡を、主として『看聞日記』を通して考察するが、文学史の上から見れば、伏見宮貞成と伏見宮家とは、皇室を中心とする堂上文学と庶民の文芸を結ぶ重要な役割を果たしたと言えよう。漢文日記の文学性を登場人物の精査も加えて具体的な作業を積み重ね、貞成の生き方の特色を鮮やかに解明する。日記文学研究の一つの方向を示し、中世後期の文学研究に新たな視座を提供する。
ISBN4-7924-1312-5 (1991.2) A5 判 上製本 382頁 本体9320円