■秋成の歴史小説とその周辺 | |||||
美山 靖著 | |||||
本書は「春雨物語の歴史小説」「春雨物語周辺の歴史小説」「歴史と物語と人間と」「秋成と伊勢」「資料」の5章からなる。著者は、秋成の依拠した史実を丹念に渉猟し、史書との齟齬を検討し、秋成作品における虚構の意味に迫るための手がかりを豊富に提供する。丹念な調査と、決して結論を急がない研究姿勢は、従来評論としてのみ扱われてきた『ぬば玉の巻』の小説としての側面に光を当てるなど、これからの秋成研究に新たな指針を与える。 ■本書の構成 上田秋成論の序―緒言に代えて 第1章 春雨物語の歴史小説 「血かたびら」の成立/「血かたびら」論/「天津処女」の成立/「天津処女」の成立(補)/「歌のほまれ」の作品性/「海賊」の成立 第2章 春雨物語周辺の歴史小説 『鴛央行』の成立/「鎌倉三部作」について/『月の前』をめぐって 第3章 歴史と物語と人間と 『ぬば玉の巻』について/『源氏物語』と上田秋成/上田秋成の国学研究―『安々言』をめぐって―/「才」と「智」―秋成の思想の一断面―/上田秋成と焼亡 第4章 秋成と伊勢 荒木田末偶のことなど/大館高門のこと/秋成と伊勢 第5章 資料 神宮文庫蔵『菊の家集』/『みゝと川』の秋成 美山 靖(みやま やすし)……昭和9年福岡県小郡市に生まれる 京都大学大学院研究科(修士課程)修了 文学修士 愛媛大学法文学部教授(書籍刊行時に掲載されていたものです) |
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ISBN4-7924-1328-1 | (1994.3) | A5 判 | 上製本 | 369頁 | 本体7700円 |