伝説とその伝播者
野村純一著作集 第六巻


山の民、水辺の生活から生まれた語りとは。「伝説とは何か」「漂泊民の伝説」「職能者の伝説」「神々と伝説」の4篇にわけ、伝説の伝播の実態に関する38篇の論考を収録。


●本書の構成●
口絵

第一篇 伝説とは何か

伝説研究の歴史/生きた言葉の復権求めて 『日本伝説大系』の刊行に寄せて/解説・民話と伝説―「鶴女房」を軸に―/平家伝説とは何か/弁慶伝説とは何か/解説(『ふるさとの伝説』第五巻「名人・奇人」)/解説(『ふるさとの伝説』第六巻「高僧・長者」)/天女の話―“不思議な台所”のこと―

第二篇 漂泊民の伝説

書評・紹介―臼田甚五郎著『川物語』―/蜘蛛説話成立の背景/解説―「タイシ」伝説の担い手―/解説―「子育て幽霊」と胎児分離習俗―/菅原道真がしゃぶって育ったという「坂口の飴」/俊寛の骨を持って諸国をめぐる複数の有王たち/各地をめぐる一代の英傑源為朝の伝説装置/【アカザ】の杖と椿の油―二つの不老長寿説話―/椿は何故「春の木」か―「八百比丘尼」と「常陸坊海尊」―

第三篇 職能者の伝説

「竹伐爺」の伝播者/山の鷹匠/山ぐらしの人々―またぎ、木地屋、鋳物師―/惟喬親王ノート―阿波の木地屋の消息とその文書―/ 木地屋文書の周辺/山村の昔話とその伝播者/田村の千代姫の家/「産神問答」と六部/巨人三吉伝説の消長/「山姥と桶屋」の素姓 山の昔話/一眼一脚神の消息―「山姥と桶屋」の素姓―/祝福のモノガタリ

第四篇 神々と伝説

民間説話―地方伝承にみる日本神話の影―/民俗学からみた神社/柳田翁と「杜」の思想/海尊・清悦・八百比丘尼―口承文芸の中の神々―/禁忌―植物と花と―/食制の禁忌/口承文芸の神―常民の神とカミ―/喜界島の民間説話にみる「神観念」/「長者の大主」の問題


  解説 神聖な旅人の足跡……大島建彦
  解題 旅と伝説と人生……内藤浩誉




  
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ISBN978-4-7924-0708-7 C3339 (2012.2) A5判 上製本 412頁 本体7,900円
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。