太閤検地と徴租法
中口久夫著



著者の年来の研究テーマである太閤検地と徴租法についての論考を収録。ほかに、「名田」「恩地」など、諸説解釈が分かれている史料中のキーワードを論題とし、その語の意味もしくは意味変化を考察する。


■本書の構成

第一部 租法と検地
  第一章 石高制租法
  第二章 近世初期租法の研究
  第三章 初期太閤検地について 
―天正十一年今在家村検地の斗代をもとに―
  第四章 文禄三年摂州太田郡吹田村検地帳の分析
  第五章 吹田村内旗本竹中領寛文・天和検地帳について

第二部 変化する言葉の意味
  第六章 「一倍」の語義
  第七章 「免」の意味変化について

第三部 史料の解釈
  第八章 武田氏の御家人制 
―「名田」・「恩地」をめぐって―
  第九章 「内得」の意味と歴史的性格
  第十章 「水田」の解釈をめぐって 
―近江安治区有文書の研究―

第四部 誤差が語る論理
  第十一章 太閤検地初期の計算術
  第十二章 「得取目安」について

  研究余禄 文明六年加賀一向一揆の前提/「畝」の初見/高・分米・物成/一文字の難字/「水」「水際」考
  書評 脇田修著『織田政権の基礎構造 織豊政権の分析T』/下村效著『戦国・織豊期の社会と文化』


  ◎中口久夫(なかぐち・ひさお)……1932年大阪府に生まれる 浪速外国語学校卒業 元吹田市市史編さん室長



ISBN978-4-7924-0967-8 C3021 (2012.3) A5判 上製本 362頁 本体3,600円
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。