■初代伊藤忠兵衛を追慕する | |||||
在りし日の父、丸紅、そして主人 | |||||
宇佐美英機編著 | |||||
総合商社の伊藤忠商事・丸紅がともに創業者とする初代伊藤忠兵衛。 近江商人の矜恃を保った商人の実像に迫る。 本書の構成 序章 本書を読み進める方々へ……宇佐美英機 第一部 父を追慕する 在りし日の父/先代伊藤忠兵衛氏を語る/先代を偲ぶの会/父のことども……創業百年祭に因んで…… 第二部 丸紅・主人を回想する 第三部 初代忠兵衛を頌える 宇佐美英機(うさみ ひでき)……1951年生まれ 滋賀大学経済学部教授 著者の関連書籍 宇佐美英機著 近世京都の金銀出入と社会慣習 |
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ISBN978-4-7924-0974-6 C1023 (2012.10) 四六判 上製本 258頁 本体2600円 | |||||
本書は、日本を代表する総合商社である伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠商事と略記)、丸紅株式会社(以下、丸紅と略記)がともに創業者としている初代伊藤忠兵衛について、その没後に刊行された諸書のなかで、父を追慕する二代忠兵衛の文章や初代が存命していた時期に伊藤諸店(本店・京店・西店・糸店)に勤務していた店員たちが思いでを綴った文章を抜粋して一書に編んだものである。 初代伊藤忠兵衛は、天保十三(一八四二)年七月二日、近江国犬上郡八目村(滋賀県犬上郡豊郷町八目)において、父五代伊藤長兵衛、母やゑの二男として誕生し、明治三十六(一九〇三)年七月八日、療養先の須磨(兵庫県神戸市須磨区)において六十二歳の一生を終えている。その生涯は、「近江商人」であることの自負心をもって経営・社会活動に終始したが、著名な人物でありながらも、今に至るまでその足跡を子細に明らかにできていない。 本書を手にされる方には、なぜ初代忠兵衛を追慕する文章に限定して編集するのか、どうして生前に記された史料も収録しないのかという疑問もあるだろう。その理由は単純なことである。すなわち、伊藤家には、初代忠兵衛が商戦の前線にいた時から昭和二十四年に大建産業株式会社が分割され、新生の伊藤忠商事・丸紅が発足するまでの期間の膨大な量の史料が伝来しているが、いまだそれらは滋賀大学経済学部附属史料館において整理中であり、史料を出納するための目録が完成していない、ということによる。 本書は、これから研究を進めるうえで最初の作業として、すでに活字化されている文献情報を編集して提供し、初代忠兵衛と伊藤各店の経営の一端について共通理解を深めることを意図したものである。収録した文献を通読され、初代伊藤忠兵衛が魅力溢れる人物であったこと、伊藤諸店の事業経営の解明は重要かつ画期的な意義があることを読みとっていただけるならば、望外の幸せである。 |
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(宇佐美英機) | |||||
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。 |