■日本中央市場史研究 | |||||
田村安興著 | |||||
本書は、産業資本成立過程において、世界各国で食料品の共通課題となる流通システムの近代化に注目し、わが国の中央卸売市場制度が世界でも例がないほど統制的性格を持つに至った要因を明らかにする。第1部では、都市社会政策、食料問題、家畜市場、屠場政策等を取り上げ、中央卸売制度成立の経済史的背景に関する研究を行う。第2部では、京都市と高知市の事例を中心に、市場をめぐる多様な利害関係と、その背景を明らかにすると共に、成立過程に関する具体的な実証分析を重ねる。 ■本書の構成 序章 課題と方法 第1部 中央市場史の背景 第1章 市場史の理論仮説に関する検討 第2章 大正期食糧問題の経済的位置 第3章 公設屠場・家畜市場政策の成立過程 第4章 日本地方公益事業政策と地方改良運動 第5章 わが国と欧米諸国の市場政策 第2部 中央市場成立過程の実証研究 第6章 高知県市場規則と卸売市場流通 第7章 高知市中央卸売市場開設をめぐる利害関係と政争 第8章 高知市中央卸売市場開設後の単複問題 第9章 京都市中央卸売市場開設期における魚問屋と漁業資本 第10章 京都市中央卸売市場の開設と商人資本統合 補論 京都市における青果物市場(野市)の成立過程 結章 課題の展開と結論 ◎田村安興(たむら やすおき)……1949年 高知県生まれ 現在、高知大学人文学部教授(書籍刊行時に掲載のものです) 著者の関連書籍 田村安興著 ナショナリズムと自由民権 田村安興著 天皇と官吏の時代―1868年〜1945年 |
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ISBN4-7924-0398-7 (1994.4) A5 判 上製本 290頁 本体6800円 |