近世漁業社会史の研究
−近代前期漁業政策の展開と成り立ち−
高橋美貴著


魚と漁業社会を通して日本社会の歴史的展開を考える。このテ−マに対して著者は、三陸沿岸をフィ−ルドに膨大な新史料を発掘し実証的な分析を行う。近世・近代前期にかけての漁業社会の展開と特質を「近世における漁業社会の展開過程」と「近代前期の漁業政策から見た漁業社会」の二部に大きく分けて論究する。著名な「総百姓共有漁場説」をはじめとする研究史の厳密な検討を経て、著者が本書で論述する実証性豊かな論証は目を見張るものがある。


■本書の構成

序章

第1部 近世における漁業社会の展開過程

第1章 盛岡藩における漁業政策と漁業構造の変容過程
第2章 一七世紀後半における関西漁民三陸出漁の歴史的状況
第3章 近世における漁場の構造と漁業社会

第2部 近代前期の漁業政策から見た漁業社会

第4章 近世漁村における漁場の「共有財」的機能の展開過程
第5章 漁業資源管理慣行の歴史的展開 ―鮭資源をめぐる近世の漁業秩序と岩手県庁の漁業政策―
第6章 近代前期における岩手県漁業政策の展開過程

終章



高橋美貴(たかはし よしたか)……1966年奈良県に生まれる 東北大学大学院文学研究科博士課程修了 東北大学東北文化研究室員(書籍刊行時に掲載されていたものです)





 著者の関連書籍
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 平川 新編 江戸時代の政治と地域社会 全2巻


ISBN4-7924-0411-8 (1995.8) A5 判 上製本 310頁 本体6000円
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。