日本海域歴史大系 第5巻 近世篇U
小林昌二 監修
原 直史・大橋康二編

近世後期、日本海側の地域社会の特徴について、近世考古学・文献史学があらたな考察を試みる。朝鮮や北方との交易など環日本海における技術伝播や流通は、地域社会の生産や生活にいかなる影響を与えたのか。さらに、地主地帯が多い日本海側の社会構造や教育文化の特色について、厳しい自然風土や北前船によってリードされた活発な商品流通とのかかわりから検討する。


●本書の構成●
第一編 環日本海における生産と流通
第1章 朝鮮から肥前に伝わった磁器生産技術とその伝播―肥前から日本海側各地へ―…大橋康二
第2章 江戸中・後期「伊万里の朝鮮貿易」…家田淳一
コラム1 コンプラ瓶の生産と流通…扇浦正義
コラム2 「海の道」と水中考古学…野上建紀
第3章  蝦夷錦の来た道―青森県内所在の蝦夷錦を通して―…瀧本壽史
第二編 日本海域における地域社会
第1章 日本海交流の中の江差…宮原 浩
第2章 子モロ場所における近隣「場所」からのアイヌの流入と出稼システムの成立…長澤政之
第3章 越後巨大地主と流通市場―北前船による作徳米流通を中心に―…原 直史
第4章 土地割替制と自然環境…フィリップ・ブラウン
コラム 越後国の他国稼…辻まゆみ
第5章 越後縮の生産と地域社会―十日町市域の生産と流通―…杉本耕一
第6章 敦賀と地域社会―近世後期の船と蔵をめぐる諸関係―…曲田浩和
第7章 近世捕鯨銛の成立と展開…内田律雄
第8章 長門・石見の廻船と地域社会…木部和昭   
第9章 往来物のなかの日本海域…八鍬友広
第10章 日本海沿岸地域の企業勃興…中西 聡
  

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ISBN4-7924-0585-8  C1321 (2006.6) A5 判 上製本 414頁 本体3800円
※上記のデータはいずれも本書刊行時のものです。