■奈良の都 | |||||
古代の人物 第2巻 | |||||
石上英一・鎌田元一・栄原永遠男 監修 |
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佐藤 信編 |
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本書では、八世紀の平城京に都が置かれた奈良時代の前半を中心とした人物を取り上げる。天皇や大臣などの時の為政者・権力者ばかりでなく、女性や政治的な敗者も扱うこととし、社会に影響を与えた僧侶や文化人、そして海外に派遣された遣唐使などにも配慮して選ぶ。取り上げた個々の人物の歩みを生き生きとなぞることを通して、背景にあるその時代の歴史像や社会の特徴を描き出す。 ●本書の構成● 奈良時代の人物〔本巻のねらい〕…………佐藤 信 T 天皇家と藤原氏 藤原不比等〔律令国家の具現者〕………中村修也 一 成長期の不比等/二 官人としての不比等/三 不比等をめぐる人的構成/おわりに 藤原武智麻呂〔不比等の子としての立場と行動〕………吉川敏子 はじめに/一 病弱な貴公子のイメージ/二 第T期 貴公子の就職と働きぶり/三 第U期 近江守として赴任/四 第V期 人事部門の長となり皇太子の側近に/五 第W期(1) 不比等薨去後の武智麻呂と房前/六 第W期(2) 長屋王の変を巡る四子の動向/七 第W期(3) 右大臣就任から薨去まで/おわりに 元明天皇・元正天皇〔母・娘二代の女帝の活躍〕………山下信一郎 序/一 阿閇皇女の誕生とその幼少期/二 草壁皇子との結婚、そして皇太妃へ/三 政治の表舞台へ――阿閇皇女の即位/四 老境の元明太上天皇/五 元正天皇の時代/おわりに ――退位後の元正太上天皇 聖武天皇〔富、彷徨、三宝の奴〕………北 啓太 はじめに/一 皇位への道/二 聖武朝の出発/三 彷徨五年/四 大仏の開眼/おわりに 光明皇后〔奈良時代のキーパーソン〕………寺崎保広 一 光明皇后の生涯/二 藤原京出土の木簡/三 光明皇后の居宅 U くりかえされる政争 長屋王〔長屋王家木簡の世界から〕………中村順昭 はじめに/一 長屋王の経歴/二 長屋王家木簡をめぐる問題点/三 氷高内親王と吉備内親王/四 長屋王政権と長屋王の変 橘 諸兄〔「臣」への道〕………新川登亀男 一 父と母/二 葛木王の登場/三 山背国の班田使(長官)/四 大嘗祭(新嘗祭)と橘宿祢の賜姓/五 陪従する諸兄と恭仁遷都/六 大仏造営/七 大仏開眼と諸兄の後退/おわりに 藤原広嗣〔西海にきえた「大忠臣」〕………西別府元日 はじめに/一 広嗣・その生い立ちと大宰少弐就任/二 「大忠臣」広嗣・その反乱/三 広嗣の乱・疑問とその影響/むすびにかえて 玄 ム〔入唐学僧の栄光と挫折〕………川ア 晃 一 入唐僧玄ム/二 玄ム将来経について/三 内道場僧玄ムの誕生/四 隅寺と玄ム/五 玄ムの台頭と政界/六 玄ム左遷/終わりに 大伴古麻呂〔天平勝宝の風雲児〕………鐘江宏之 はじめに/一 大伴一族の中で/二 遣唐使としての活躍/三 帰国後の古麻呂/四 橘奈良麻呂の変/おわりに 大伴家持〔官人・歌人としての実像〕………西宮秀紀 はじめに ――延暦四年の悲劇/一 誕生・家族・内舎人時代/二 越中守時代と歌/三 政争からの逃避と左遷/四 光仁朝での昇進と桓武朝での征東将軍/おわりに――家持の実像 V 文化と政治 太安万侶〔中級貴族官僚の陰の栄誉・『古事記』撰録〕………増渕 徹 一 墓誌の発見/二 太氏と安万侶の系譜/三 太安万侶の官歴/四 『古事記』の撰録/五 安万侶の死 大伴旅人〔ある軍事氏族族長の生涯〕………永山修一 一 その出自 ――祖父長徳と父安麻呂/二 政界への登場/三 養老四年の隼人の戦い/四 長屋王政権下の旅人/五 大宰府旅人と筑紫歌壇/六 旅人の帰京と死 山上憶良〔〈述志〉の歌人〕………増尾伸一郎 一 出自と前半生/二 筑紫下向以前/三 筑前守憶良と大宰帥旅人/四 存亡の大期 阿倍仲麻呂〔古代日本と唐の架け橋〕………榎本淳一 一 春日なるみかさの山/二 第九次遣唐使と留学生/三 太学に学ぶ/四 仲麻呂と科挙/五 唐朝の官僚となる/六 望郷の念やみがたく/七 あまの原ふりさけみれば/八 唐に客死す 行 基〔民衆と天皇とのあいだで〕………若井敏明 はじめに/一 舎利瓶の出現/二 菅原と生駒/三 活動の転換/四 灌漑施設の諸様相/五 国家プロジェクトと行基/六 律令国家と行基関係施設/おわりに シリーズの全体構成はこちらから |
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ISBN978-4-7924-0573-1 C3321 (2016.4) A5判 上製本 402頁 本体4,500円 | |||||
※所属・肩書等は本書刊行時のものです。 |