国益思想の系譜と展開
−徳川期から明治期への歩み−
藤田貞一郎著


江戸後期に生まれた国益思想と藩経済自立の思想は幕藩制市場の崩壊を導き出し、明治期の経済政策に太いつながりを持つ。本書では、約10章が江戸期の事例研究に、約3章が明治期の事例研究に当てられ、明治期への系譜を重視しつつ、国益思想の展開過程とその歴史的意義を実証主義に徹し明らかにしている。国益思想の研究はその歴史が短いだけに、さらにその体系化の試みがなされる必要がある。本書がその礎石を築いたということができる。


■本書の構成

序論 「国益」思想再説の弁
第1章 徳川期国益思想の成立と展開
第2章 幕藩制市場構造と大坂
第3章 幕藩制市場構造の崩壊と加太浦諸国産物交易所
第4章 紀州藩田辺領の経済政策
第5章 銅山開発と寺領大庄屋
第6章 御国益鉄座再興願一件
第7章 寛政期城下町盛岡商人の経済思想
第8章 天保期五島藩における経済思想
第9章 近世後期秋田藩における経済思想
第10章 幕末・明治期浜田藩家老の経済認識
第11章 明治前期国益思想の一例
第12章 幕末・明治前期播州一豪農の国益思想
第13章 『明治建白書集成』に見る国益思想
余論 未完の弁



◎藤田貞一郎(ふじた ていいちろう)……1935年平壌府(朝鮮)に生まれ、鴨緑江岸の新義州府に育つ。和歌山大学卒業 大阪大学大学院経済学研究科博士課程単位取得 現在、同志社大学商学部教授(書籍刊行時に掲載のものです)





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ISBN4-7924-0442-8 (1998.8) A5 判 上製本 400頁 本体8800円
※上記のデータはいずれも本書刊行時のものです。