■きのくに荘園の世界 上巻・下巻 | |||||
山陰加春夫編 | |||||
荘園の宝庫である紀伊国。和歌山県内各地に今も残されている荘園の故地を訪ね歩くためのガイドブック。それぞれの荘園について略年表・データファイルにはじまり、そのハイライトを描く本文、さらに読者が実際に現地を訪れるさいのガイドでしめくくる。上巻では紀ノ川流域の笠田荘や阿弖川荘など9つの荘園を、下巻では海岸線一帯を中心に相賀荘・志富田荘など13の荘園をとりあげる。 〔主な執筆者〕 山陰加春夫・稲葉継陽・岩倉哲夫・海老澤衷・太田宏一・小倉英樹・海津一朗・北野隆亮・木村安男・小林一岳・阪本敏行・渋谷高秀・白石博則・神村和輝・鈴木景二・高木徳郎・高橋 修・竹中康彦・土井孝之・西村充司・額田雅裕・則竹雄一・原田正俊・播磨良紀・藤井弘章・堀純一郎・前田敬彦・前田正明・宮田敬三・村田 弘・山本殖生・弓倉弘年・綿貫友子 ■上巻の構成 総論 中世紀伊国の位置 キリスト教宣教師の二つの記述を手掛かりに 桛田荘―文覚と湯浅一族 桛田を歩く/荘園絵図と文覚井 南部荘―典型的な請所型荘園 南部荘を歩く/台地に広がる鎌倉時代の館跡 和歌山市奥山田遺跡 阿弖川荘―領主間の争いと百姓たちの闘争 阿弖川荘を歩く 荒川荘―名誉の悪党源為時 荒川荘を歩く/まぼろしの高野寺 和佐荘―歓喜寺と大伴氏の盛衰 和佐荘を歩く 鞆淵荘―八幡神人と鞆淵氏 鞆淵荘を歩く 官省符荘―政所一族と庁番殿原 官省符荘を歩く/高野枡なりたち秘話 井上本荘―その景観と相論 井上本荘を歩く/中世の島畠を求めて 雑賀荘―一向一揆とされた雑賀衆の実像 雑賀荘を歩く/廃棄された石塔 根来寺坊院跡発掘調査の顛末 荘園ってなんだ?荘園早わかりQ&A |
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■下巻の構成 相賀荘―紀北国人生地(恩地)氏の動向 相賀荘を歩く/紀伊守護畠山氏 志富田荘―殿原と百姓 志富田荘を歩く/水無川の中分科 粉河荘東村―寺辺領の村と領主 粉河荘を歩く/粉河寺を守る城塞群/粉河荘東村の「とうふ屋」さん 根来寺と寺領荘園―高野山撤退の真相 根来寺境内を歩く/荘園領主高野山の戦いと城郭 加太荘―向井家文書が伝えるもの 加太荘を歩く/海揚がりの陶磁器は語る/新出の「村上武吉過所旗」と雑賀衆 日前国懸神宮領―守護被官との用水をめぐる裁判 日前国懸神宮領を歩く/「名草溝」起源を探る 神野・真国荘―石走村の領知権をめぐる争い 神野・真国荘を歩く/「紀伊国神野真国荘絵図」その特徴と不思議 浜仲荘―中世寺院・長保寺の歴史とともに 浜仲荘を歩く/「御田祭」 由良荘―興国寺と高野山金剛三昧院 由良荘を歩く/官省符荘百姓等片仮名書申状 高家荘―その景観と絵図 高家荘を歩く/高田土居(城)徳蔵地区遺跡 田辺荘―湛増と田辺別当家の興亡 田辺荘を歩く/中世の代表的紀州人・熊野別当湛増 安宅荘―水軍領主安宅氏のルーツを探る 安宅荘を歩く/熊野詣と荘園 鵜殿荘―二つの顔を持つ水軍領主 鵜殿荘を歩く/明恵上人の生誕地?金屋町明恵上人遺跡 特論1 名手荘と丹生屋村の用水相論 特論2 熊野三山領荘園 山陰加春夫……1951年生まれ。高野山大学文学部教授。 編者の関連書籍 山陰加春夫著 中世寺院と「悪党」 山陰加春夫著 新編 中世高野山史の研究 本書の関連書籍 高橋 修編 熊野水軍のさと 高橋 修 著 信仰の中世武士団 |
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上巻 ISBN4-7924-0490-8 (2000.6) 四六判 並製本 310頁 本体1900円 下巻 ISBN4-7924-0491-6 (2002.2) 四六判 並製本 420頁 本体2700円 |
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※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。 |