■都市文化理論の構築に向けて | |||||
大阪市立大学文学研究科叢書第5巻 | |||||
大阪市立大学都市文化研究センター編 | |||||
時空を超える都市情報から都市文化理論を探究する ■本書の構成 第1部 アジア諸都市における多元性とコスモポリタンな性格 Plural and Cosmopolitan Culture in Asian Cities アジアにおける沿海貿易の伝統としての世界都市……アンソニー・リード 高畑 幸 訳 東アジア海域における沿海都市間ネットワークの歴史的変遷――那覇−長崎−釜山ルートから香港−上海−神戸ルートへ……濱下武志 グローバル化時代における東南アジアの都市文化創造のダイナミックス――インドネシアを事例として……中川 眞 多元性・境界性・民衆のアートと歴史……大黒俊二/多元的都市の伝統とグローバルな現在(いま)……中野耕太郎 第2部 都市文化創造のための基礎研究――多元的考察と資源化―― Basic Studies for the Creation of Urban Culture:Plural Analysis and Resouce Making 第1セッション 前近代日本における都市空間と文化形成……仁木 宏 清代都市における街頭の民衆文字情報……辛 徳勇 都市文化と公共性……塚田 孝 第2セッション 現代中国のアーバニズム/都市性――都市革命か?……ケ 永成 柴田 剛 訳 都市景観の解釈と再構築――文化・政治地理学の視点から……山野正彦 「ストリートの人類学」という構想……関根康正 都市空間の再構築――その解読と戦略……水内俊雄 第3セッション GLOBALBASE新時代の地理情報基盤技術……森 洋久 映像資料論の実践的課題――初期テレビCMのデジタル・アーカイブス制作を通じて……高野光平 アーカイブス化の諸問題……石田佐恵子 都市文化の伝統とグローバリズム……井上 徹 |
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ISBN978-4-7924-0622-6 C3020 (2007.3) A5 判 上製本 290頁 本体6,500円 | |||||
刊行にあたって |
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2006年、都市文化研究センターはこれまですすめてきた「21世紀COEプログラム・都市文化創造のための人文科学的研究」成果を集大成すべく、“都市文化理論の構築に向けて”を共通テーマとする国際シンポジウムを開催した。このシンポジウムは二つの課題を設定した。 第一に、アジア諸都市における文化の蓄積である。長期にわたる時代において、アジアには様々なタイプの都市が生み出されてきた。これらの諸都市はその固有の空間のなかで、いかなる文化を築いたのであろうか。それぞれの地域の都市における文化は各地域の自然地理環境、人々の交流や物資の移動、政治権力の形成など、それぞれの地域に特有な条件に影響を受けてきた多元的な文化を検討することが一つの狙いである。 第二に、都市文化の継承と活用である。現在のアジア諸地域はグローバル化の波に激しくさらされている。過去の文化遺産を継承してきた諸都市とその住民は、それぞれの文化の伝統をどのように活用してグローバル化に対応しているのであろうか、そして新たな都市文化をいかに創出しうるのであろうか。こうした現代的問題の検討である。 本書の編集に際しては、シンポジウムでの報告と議論をもとに、それぞれの発表者に論文を提出していただき、またコメンテーター、司会をつとめられた方々にも、文章を寄せていただいた。これらの研究成果を集約した本書は、グローバリズムの潮流のなかでどのように都市文化を蓄積し、創造していくのかという、課題を解決するうえで積極的に提言しえたものと考えている。 |
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大阪市立大学都市文化研究センター | |||||
大阪市立大学文学研究科叢書 第1巻 橋爪紳也責任編集・アジア都市文化学の可能性 第2巻 都市の異文化交流 第3巻 井上徹 塚田孝編・東アジア近世都市における社会的結合 第4巻 近代大阪と都市文化 第6巻 文化遺産と都市文化政策 第7巻 都市の歴史的形成と文化創造力 第8巻 塚田 孝・佐賀 朝・八木 滋編 近世身分社会の比較史 第9巻 井上 徹・仁木 宏・松浦恆雄編 東アジアの都市構造と集団性 第10巻 大場茂明・大黒俊二・草生久嗣編 文化接触のコンテクストとコンフリクト 第11巻 佐金 武・佐伯大輔・高梨友宏編 ユーモア解体新書 第12巻 塚田 孝・佐賀 朝・渡辺健哉・上野雅由樹編 周縁的社会集団と近代 |
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※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。 |