谷間の想像力
糸井通浩著


「ことば」とは何か、「ことば」の機能とは何か、を見すえた珠玉の「随想録」。「ことば」による想像は「映像」をも遙かに凌駕する。




■本書の構成

〔一〕 ことばで拓く

谷間の村の想像力
――大江健三郎と故郷
西安の月
動詞人間学
時はめぐり
「作文歩上」のすすめ
一行一字の縦書き
「おんぶ」に「抱っこ」
(増えた「抱っこ」  教育の場では……)

〔二〕 都
(京都)のならい

「お」をめぐるおはなし
(女房詞の誕生  女性と〝お〟付き言葉  今も広がる〝お〟付き言葉)
京ことばからの発信
――女ことば(京ことばの特徴  女性語の誕生  「お」つきのことばと女性)
おかず
(副食)――京都を食べる・ことばで食べる(グルメ京都――伝統と革新  食のことば  京の食材  おばんざいのお店)
軒下の石たち
――自然を造る京文化(「癒し」の空間へ  「山紫水明」と京都  多様な空間――芸術庭の探訪  天龍寺の庭・曹源池  町家の坪庭)
古都の紅葉
下京や今は昔の物語
――京都・七条大宮
脇役の渋い味
――京都学を楽しむ
紫式部と小野篁
――研究ノート
夕顔の宿
(五条なる家  平安前中期ころの五条大路わたり  顔の宿の実態と夕顔の素性  五条大路あたりの実態)
地所表記のカタカナ
――「上ル」か「上る」か問題めぐって
六割読めれば京都通
――難読地名
幽霊子育て飴
――昔話の考古学
京の「そば」文化
田楽とおでん
納豆は京生まれ?
鴨川東岸の柳と桜
大文字の送り火
源氏絵巻の成立まで

〔三〕 鄙
(丹後)のならい

地名研究の恍惚と不安
――「大江山」の場合(二つの大江山  三つの鬼退治譚  麻呂子親王の鬼退治譚  課題――「地誌」類への登場)
「大江山」の歌
百人一首を味わう
但馬から丹後へ
――天日槍・羽衣天女・浦嶋子探訪記
「糸井」という地名
どえりゃー似とる方言
――尾張・丹後の方言の類似性
「うる・うり」の系譜
(語基「うる(うり)」を含む派生語  語基「うる」が語となったもの  降雨に関わる「うる(うり)」)

〔四〕 草木虫鳥

源氏物語の植物
(桐  帚木  荻  夕顔  紫草  末摘花  紅葉  桜  葵  賢木  橘  海藻)
山吹
射干
真幸葛
――鳥綱ペリカン目ウ科に属する水鳥の総称
――昆虫綱双翅目
鵡鳥
――綱オウム目オウム科に属するうちの、比較的大型のものの総称
割殻
――節足動物門甲殻綱端脚目ワレカラ科に属するものの総称
きぬかつぎ
醤油
東アジアにおける古代龍
――鰐説など起源めぐる議論盛ん

〔五〕 〈うた〉文化のならい

日本語のリズム
(日本語のリズムと〈うた〉のリズム  名文句は都々逸調から  日本語にはメロディがある)
「和歌」の伝統とかるた
故郷 
高野辰之・文部省唱歌
朧月夜 
高野辰之・文部省唱歌
紅葉 
高野辰之・文部省唱歌
浜辺の歌 
林古渓
「ないじゃなし」再考
(二重否定表現  問題点の確認  歌詞の構成再考  「~じゃなし」構文  類同と差異)
俳画三昧
嫉妬が俳画の切っ掛け

〔六〕 ことばが拓く

森山卓郎『表現を味わうための日本語文法』
網野善彦ほか編『いまは昔むかしは今』
阪田寛夫『童謡でてこい』
吉田直哉『脳内イメージと映像』
辻本雅史『「学び」の復権――模倣と習熟』
高島俊男『お言葉ですが…』
五明紀春『〈食〉の記号学―ヒトは「言葉」で食べる―』
胸中成竹




  著者の関連書籍
  糸井通浩著 日本語論の構築

  糸井通浩・神尾暢子編 王朝物語のしぐさとことば

  曽田文雄・糸井通浩編 私家集総索引




 ISBN978-4-7924-1436-8 C3081 (2018.1) A5判 並製本 266頁 本体2,800円
※所属・肩書き等は、本書刊行時のものです。